UV硬化性の向上 化学品製造Z社 研究開発部

UV硬化性を向上させ、タクトタイムを短縮し、
さらに歩留まりを向上させたいとの要望がきて…

低粘度でUV硬化性に優れ、生産性向上と高機能化を実現したモノマーとは?

塗料・コーティング

得意先の電材メーカーから、タッチパネル用多層フィルムのハードコート剤について改良要望が舞い込んだZ社。納めている無溶剤ハードコート剤のUV硬化性や粘度についての改良要求があり、早急な対策が必要になった。

課題

難航したハードコート剤の改良要求。期限も迫ってきて、このままでは…

対策を任された研究開発部は、得意先からの具体的な要望点を整理し、検討を開始しました。

担当した研究開発部リーダーのK氏は、このときの状況を次のように振り返ります。
「生産ラインのタクトタイムをこれまでより短縮したいと要望があり、ハードコート剤のUV硬化性を向上させる必要がありました。また、多層フィルムの中には、UV照射によりダメージを受ける素材もあり、歩留まりの向上のためにもUV照射線量を下げる必要があったのです。しかも、塗工性の改善のため従来より粘度を下げて欲しいという要望も追加されていました」

K氏は、ハードコート剤に使用する成分の種類や配合量を変えるなどして、試作を繰り返し、UV硬化性の改良の検証を進めていました。ところが、これまで使用実績のあるオリゴマーとモノマーの組合せでは、検証が暗礁に乗り上げてしまったのです。
「UV硬化性を向上するために、多官能オリゴマーの使用割合を増やしたところ、粘度が高くなってしまいました。そこで、粘度を低く抑えられる単官能アクリレートモノマーを使用してみたのです。すると今度は、UV硬化性が悪化したうえに、その皮膚刺激性の強さから、作業員の安全性に配慮して、作業が煩雑になるという問題が発生しました」(K氏)

得意先から指定された期限も迫っており、検証を繰り返しても一向に兆しが見えない状況に、K氏たちは焦るばかりでした。

課題のポイント

  • タクトタイムの短縮のためUV硬化性の改良が求められた

  • 塗工性の改善のため粘度の低減も必要であった

  • 多官能オリゴマーの増量では粘度が高くなり、粘度を抑える単官能アクリレートモノマーではUV硬化性が悪化し、うまくバランスする組成が見つからない

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