水性顔料インクの安定性向上 インクメーカーY社 開発部

環境への配慮から、
水性顔料インクに変更したところで立て続けに問題が発生…

顔料の分散性が改善され、色特性もより鮮やかになった水溶性ポリマーの特長とは?

塗料・コーティング

水性顔料インクの試作品の改良を得意先の包装メーカーから求められ、その対応に追われているY社。パッケージ印刷や日付印字に使うインク保管時の顔料の分散安定性に課題があり、経時で粘度が徐々に増加する、また色特性(彩度および透明性)が悪化するという問題があった。また、特にインクジェット方式の印刷向けには印刷時にプリンターノズルが詰まりやすくなるという問題も発生していた。

※本事例は想定事例ですが、似たようなお悩みの方々へのご参考として掲載しています

課題

顔料が凝集してノズルが詰まり、色特性もいま一つ。この問題を早く解決しなければ…

今回依頼のあった得意先は環境への配慮や安全性という観点から、従来の溶剤系インクを水系に変更しようとしていた。その矢先にこれらの課題が露呈したのでした。
改良の担当を任された開発部のS氏は、ひとまずこの顔料分散性の課題の原因究明を急ぐことにしました。
「検証した結果、使用しているアニオン性顔料粒子の疎水性が当初の想定より強く、分散しにくいことが判明しました。そのため、少し乾燥が進むだけでも顔料が凝集して、ノズルが詰まりやすくなっていました。同様に色特性がいま一つという原因も、顔料分散の悪さから、鮮やかさが欠けてしまっていたのです」と、S氏はこのときの状況を振り返ります。

S氏は他の開発部メンバーと相談して、添加剤を変更して、顔料の分散性を改善することにしました。ところがY社で使用実績のあるポリマーなどの添加剤を使用して評価を行いましたが、分散安定性の改善はどれも不十分なものばかりだったのです。

S氏は取引のある商社にも当たり、他に可能性がありそうな添加剤の情報収集を試みました。しかし、改良につながりそうな情報は手に入りません。この状況にS氏たち開発部は焦るばかりでした。

課題のポイント

  • 使用しているアニオン性顔料粒子の疎水性が当初の想定より強く、分散しにくい

  • そのため、少し乾燥が進むだけでも顔料が凝集して、ノズルが詰まりやすくなっていた

  • また顔料分散の悪さから、鮮やかさが欠けて色特性が悪くなってしまった

  • 使用実績のあるポリマーなどの添加剤では、分散安定性の改善はどれも不十分なものばかりだった

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